
序 / Prologue
嵐山の麓に佇む
嵐山・嵯峨野の山あいに、 看板を出さず暖簾のみを掛けて、 紅葉宿はひっそりと佇んでをります。
立地 ・ 湯 ・ お膳 ・ 縁側 ・ 中庭 ・ 四季のしつらへを、 順にご紹介いたします。
紅葉宿 / 縁側の朝

I. ・ 立地
嵐山にて
京の西、 嵐山と嵯峨野のあひだに、 紅葉宿はございます。 渡月橋を渡り、 竹林の小径を抜け、 奥嵯峨の細道をのぼった先、 山に分け入る道のかたはらに、 そっと暖簾を掛けてをります。
看板はございません。 住所もお伝へしてをりません。 これは、 紅葉宿が現実と幻想のあひだに在るためでございます。
渡月橋 / 嵐山

II. ・ 温泉
夕の湯
奥嵯峨の山あいから湧き出す湯を、 ひと釜に引いてまゐりました。 石灯籠のひかりを受けて、 湯気がゆるやかに立ちのぼってまゐります。
夕暮れの空が藍に沈むころ、 山の翳が湯のおもてに映りまする。 ただ、 ぼうつと湯につかつていただくだけでも、 一日の旅のお疲れが、 自づと解けてまゐります。
露天風呂 / 石灯籠と湯気

III. ・ 料理
季節のお膳
板長 風間 章が、 朝市と山の便りに耳を傾けて、 その日その日のお献立を組み立ててまゐります。 京懐石を軸に、 嵐山の四季の素材を、 そのままお皿の上にお運びいたします。
刺身、 椀物、 焼物、 煮物、 揚物、 御飯、 香の物、 水菓子 — 数を競ふものではなく、 季節のひと皿ひと皿を、 静かに召し上がっていただくお膳でございます。
懐石膳 / 季節替り

IV. ・ 縁側
縁側のしつらへ
南に向いた長き縁側が、 紅葉宿のしつらへの軸でございます。 朝には霧、 昼には日のひかり、 夕にはひぐらしの声、 夜には山の翳がそのまま座敷へと入ってまゐります。
戸を開けずとも、 季節がこちらまで歩いてくる場所、 と申してをります。
縁側 / 秋の朝

V. ・ 中庭
中庭の椿
中庭にはひと本の椿の木がございます。 先代女将 椿の植ゑしものでございます。 春のはじめに、 淡き桃色の花を結びはじめ、 冬の終はりまで、 長く咲き継ぎます。
椿の木の下に、 苔と石、 ひと張りの傘、 ひとつの石灯籠。 たったそれだけでございますが、 四季の景はこの中庭で十分に変はります。
中庭 / 椿の木と灯籠
VI. ・ 四季
四季のしつらへ
The four seasons